篠田さんと受講生の皆さんの濃密な2日間・・・
演劇ワークショップも定期的に開催しているスタジオアーキタンツ。
今回はバンコク在住の篠田千明さんによる、身体と”言語”のワークショップを開催しました!
このワークショップを担当させていただきましたスタッフのニノト(男の人)が、俺フィルターを通しての主観から独断と偏見に基いて記事を書かせていただきます!
いったいどのようなワークショップが繰り広げられるのか。
はたまた、本当に皆さん受講して下さるのか!?
われわれ主催側も、大いなる期待とちょっぴりの不安に胸を躍らせていました(笑)
しかしふたを開けてみると、ありがたいことに今回のワークショップは定員いっぱい、大勢のお客様にご受講いただきました。ありがとうございます!
そして、その方々のバックグラウンドは本当にさまざま。
5歳のヤングピュアボーイから、演劇&ダンス未経験者、普段はバレエクラスをご受講の生徒さん、ユニクロ店員、劇団の主宰者まで、ありとあらゆるジャンルの方々にご参加いただきました。
こういう機会でないと、普段関わる事がないような人たちと接することが出来るのがワークショップの醍醐味!
出逢いに感謝ですね~
ニノトも見ているだけで、多くの方からビシビシ刺激をいただきました。
ありがとうございます!!
内容の方はと言うと、
1日目は篠田さんの過去作品を題材にして、その中でシーンを立ち上げるために使ったメソッドや、篠田さんが役者さん達に求めた取り組みに受講生の皆さんがトライしました。
前半は、自分が日頃無意識にしている生活行動を思い出し、それを実際に再現してみる。
そう言われて、ふっと自分の行動を思い返してみると面白いものですね~
全く意識していなくても、毎日同じ行動をしている時があるんですよ。
ニノトなら、体は必ず左腕から洗うとか、コンタクト入れる時の手順とかとか(笑)
皆さんも考えてみるとないですか、そういうの?
参加者の皆さんの行動も人それぞれで、ユニークなものばかりでした。
ある人は朝起きてからの行動であったり、ある人は仕事上での仕草であったり。
またその中には、他の人から理解してもらえないような行動もあったりして、会場では時折笑いが起こったりしていました。
その一連の行動を再現し、80%サボる。
サボった動きを言葉で補完して、再構築する。
言葉にすると何やらわけのワカラナイ感じになってしまいますが、写真にするとこんな感じです(笑)↓
これは【どちらがより「ば」を体で表現できるかゲーム】にて、全力で自分の中の「ば」に向き合っている二人↓
これは【遠くからSiriに”本所吾妻橋”という言葉を先に認識させた方の勝ちゲーム】にて、Siriと心を通わせようとしている人↓
数々の激闘が繰り広げられる中、一人また一人と姿を消していく挑戦者たち。
そんな手に汗握る死闘を勝ち残ってきた二人が、決勝戦に挑む!
その決勝戦の戦いとは…
【何でもありの40秒一本勝負!相手をリングの外に出した方の勝ちゲーム】
最後の最後で、一番原始的なゲームでした(笑)
これはその戦いで「オマエハ、段々外にデタクナル~!!!」と、非暴力精神で相手の心に訴えかけている紳士↓
そして、その彼は初代チャンピオンになりました(笑)
その後芽生えた男の友情↓
ニノトの感想として語弊を恐れず申し上げるなら、この”ファイトクラブ”はサイコーにくだらない遊びでしたが、最高に楽しい時間でした!(笑)
いい年をした大人たちが、寄ってたかってくだらない事に真剣に取り組む姿は美しかったし、何より面白かった。
このワークに取り組んでる最中、ある参加者の方が自分たちがいま創り出したゲームについてこんな事をおっしゃっていました。
「たぶん、人生でもう二度とやることはないよね、このゲーム。」
そう言っている顔はとても楽しそうで、目はキラキラと輝いていました。
他の皆さんも同様、子供の時分に戻ったかのように無邪気にいま目の前で起こっていることを楽しんでいらっしゃいました。
私がこの2日間のワークショップを通して感じたのは、人と人が触れ合うことの面白さと、考え続けることの大切さです。
昨今、巷には物や情報があふれていて他人との関係が希薄になっている。おまけに、自分で物事を考えなくて済むことが多くなってきています。
パソコン、スマホ、ゲーム機器。
テレビ、動画サイト、SNS。
確かに、それはそれで便利だし楽しいでしょう。
でも、それだけじゃないんだよ!!
篠田さんはこのワークショップで私たちに、何もなくても人が寄り合って頭と身体を使えば、いくらだって面白いものを生み出すことが出来るということを教えて下さいました。
いま自分の周りにいる人、起きていることを認識してビビットに反応する。そしてアクションを起こす。
そこには、なにも便利な電子機器は要らない。
頭と”言葉”を使って想像し、”身体”を使って実行する。
私はこの恵まれたデジタルな時代に、アナログが持つ人間の可能性を改めて感じました。
そして、今回ご受講して下さった皆さんがこのワークショップで経験し感じたことを、各々の分野でどのように活かしていって下さるのか、楽しみでなりません。